春樹は少し間を開けて言った。
「…あぁ」
…そりゃそうだよね。
いい加減認めなきゃ…!
「そっ…そうだよねっ!あたし何聞いてんだろね!答えてくれてありがとっ」
「…凛?」
あたしはその場を立ち去った。
屋上へ飛び出した。
気付くと手が震えていた。
正直ショックだった。
ずっと好きだった人に彼女が出来てしまったから…。
これからは1度も話しちゃいけない。
だって芽衣に誤解されたら不味い。
春樹と話せないなんて嫌だけど仕方がない。
だってあたしは春樹の彼女じゃないんだから…。
そう思いながらため息をついたときだった。
「何ため息なんかついちゃってんだよっ」
「痛っ!なにすんのよー」
後ろから背中を押して来たのは雨野だった。
「どした?なんかあったのか?」
「別に大したことじゃないしっ」
「それ真面目?」
なっ…何で疑うかなぁ。
まぁ確かに事情はあったけど…。
好きな人に彼女が出来てショック受けてるなんて言える訳がない。

