「まさか雪島が彼女とか…?!」


「まじで?!」


「そうだよー!芽衣が春樹の彼女だよっ」



…本当だったんだ。
あたしの希望が絶望と変わって行ったのが分かった。



「芽衣って性格悪いって噂あるの知ってるー?」



友達の雛がコソッと耳打ちした。



「そうなの…?」


「うん。なんか人の彼氏取ったり、浮気したりするらしいよっ?」


「嘘っ…。酷い…」



そんな子が春樹の彼女だなんて…。
考えたくもなかった。

あたしは現実を受け止められず、本人に直接聞いてみることにした。


そして、昼休み。



「ねぇ…春樹」


「ん?」



春樹はあたしの方に振り向いた。

左耳だけに付けているピアスがチラリと見えた。



「芽衣が彼女って…ほんとなの…?」



息が詰まりそうなぐらい心臓がバクバクしていた。