歩き出したあたしはくるりと千歳の方へむき直した 「ちーくん…ありがとう…大好きだったよ!」 にっこり笑ってそう言ってまたくるりと向きを直す 愛しい彼の姿だけを瞳に映しあたしはゆっくりと歩き出す 一歩また一歩近づくにつれあたしの心は跳ね上がる 愛しい彼の胸に飛び込み待ちわびた香りと温もりに包まれ安堵する 「お帰り陽菜…」 「ただいま…冬夜」 見つめ合うあたし達の周りの空気が変わる