月夜の散歩

「俺にはお前しかいねぇ…いやお前しかいらねー信じてくれるか陽菜?」


真剣な眼差し…吸い込まれそうな漆黒の瞳はじっとあたしを捉える


あたしは黙って頷いた


「好きだ…」


あたしをそっと抱き寄せると掠れた声で囁いた


あたしも伝えようあなたに


この胸から溢れそうなこの思いを…


「あたしも…好き…大好き…冬夜」


ぱっと身体を離しあたしをまじまじと見つめる


「今…なんつった!好きって言ったのか?嘘じゃねぇよな!!」


「クスッ…嘘じゃないよ?あたし気付いたの…好きなんだって冬夜が」


「はっ…これかよ」


"陽菜に直接聞けよ"陽菜の兄貴に言われたのはこの事だったのだ