月夜の散歩

「気に入ったか?」


「うん…」


「俺がデザインしたんだぜ…お前を思って」


「えっ…デザインって?」


「俺の家は宝石店だからな…お袋に頼んだんだデザインさせてくれって」


あたしは胸元のネックレスをキュッと握る


「そのかわり家の手伝いさせられて忙しかったけどな…あいつらは鬼だよ」


ははっと笑うとあたしを見つめる


「ホテルに一緒にいたのは姉貴だからな…あそこで展示会やってたんだ」


「お姉さんだったの?てかなんで知ってるのその事!」


「ああ…あいつ酒癖わりぃんだよ…ホテルの事は陽菜の兄貴に聞いたから」


兄と冬夜はどんな会話を交わしたのだろうか