真っ直ぐ冬夜に向かって歩く


「陽菜こい!」


冬夜は両手を広げあたしを呼んだ


その途端覚えたての感情が溢れだす…


"冬夜が好き"


あたしはたまらず駆け出した


「冬夜!」


広い胸に飛び込むと思い切り抱きしめられる


息苦しいほどに…


「陽菜…陽菜…」


切ない声で確かめるように何度も名前を呼ぶ


「冬夜…」


少し見つめ合ってから後ろを振り返った


そこに兄の姿はもう無かった