この目で確かめたかったどれほどの男なのか


あいつは俺が兄だとは知らないだろう


「さあどうでるかな…」


クスリと笑うと車に乗り込んだ


───…
──…


夏休みの殆どを室内で過ごしたお陰であたしは日焼けを一切しなかった


そんな退屈な夏休みが終わろとしていた日の夜の事だった


「ひーちゃん?まだ散歩はしてるのかい?」


兄が突然そう聞いてきた


「最近は行ってない…だからかな調子悪いの」


「じゃっ今から行こうか?」


「へっ?!」


「散歩!今夜は月が綺麗だよ♪」


軽い引きこもり状態だったあたしを心配しての事だろうが


ニコニコして言うものだから「イヤ」とは言えなかった