見間違えるなんてあり得ない人物


スーツ姿の冬夜だった


知らない女の人を抱きかかえるようにして立っていた


冬夜はその人の方を見つめてあたしになんて気が付かなかった


無情にも閉まるエレベーターの扉を見つめたまま


あたしは動けずにいた


エレベーターは上へと上がっていく


「綺麗な人だった…」


見たところあたし達より年は上だがとても綺麗な人


その時はっと気がついた…あの香水はあの人の物だと