「あぁっ、もうっ、アカン!!」

俺は、家に帰ってからも唯のことを考えて、床の上をゴロゴロと転がっていた。

「もう、今すぐにでも唯の家に行って、話してきたいっ!」

ゴロゴロゴロゴロ…

ゴロゴロゴロゴロ…

スピーディーちゃんは、部屋の隅っこに避難しとる。

ちょっと、可哀想なモノを見る目をしとるんわ気のせいやろか。

「スピーディー、ちょっとおいで。」

俺は、起き上がってスピーディーちゃんを呼んだ。

スピーディーちゃんが俺の膝に乗っかる。

「スピーディーちゃん。恋ってのは、こういうもんなんやで。」

スピーディーちゃんは、つぶらな瞳で俺を見上げている。

あ、なんや、唯みたいな顔やな…。

俺のことを見上げてくる、この感じが唯に似とる。

「……って、唯が爬虫類の顔みたいやないか。」

さすがに、それはない。

唯に失礼なことを思ってしもうた。

「スピーディーちゃんは、恋せぇへんの?」

は?といった感じにスピーディーちゃんがまた俺を見上げた。

通じないか……。

「唯にも、通じてへんのやな…この気持ち。」

俺は、ため息をついて、床に寝そべった。

そして、そのまま寝てしまった。

どうか、明日も唯と話せますように