「な、何だ新幹線って」

まな美は嫌な予感がしていた。

「・・・あのう、今って何年の何月ですか?」

「1945年の8月5日だよ、そんな事も知らないなんてますます怪しいな!カバンの中身を見せろ」

警官はまな美のカバンを遮二無二引っ張るとカバンの中身が床にばらまかれた。

警官はばらまかれた、お菓子や化粧道具・手帳・携帯電話等を見つけた。

「この物資の少ない時代に、何だこのお菓子!何だこの機械は!よし逮捕する」

「やめて下さい!」

その時、入口で一人の妊婦がそれを見ていた。

「駐在さん、その娘は怪しくなんかないよ、私の親戚だよ」

「あっ、桜井さんとこの若奥さん」

その奥さんは、まな美に片目を閉じて合図を送った、まな美もそれに気付き、その言葉に上手く合わせた。

「あっ久しぶりです!よかった、桜井さんがいてくれて」

「桜井さんが、そう言うなら大丈夫だろう!
うたぐって悪かった、もう行きなさい」

まな美はその奥さんと、派出所を離れた。


二人は派出所が見えなくなったところで、立ち止まった。

「桜井さんでしたっけ、ありがとうございます」

「なんか、訳がありそうな感じがしたから。
私は桜井綾美(21歳)よ!そこの桜井呉服店の嫁!お腹の子はもうすぐ生まれる予定。
以上」

「私は小林まな美、東京から来ました」

「へぇー、東京から。。東京ではそんな格好が流行っているの?」

「えっまあ・・・」

「うちで少し、休んで行きなよ、すぐそこだから」

「はい!お言葉に甘えて」

綾美はまな美を家にあげ、お茶を出してあげた。

まな美は頭がこんがらがっている。

「何で私が1945年の戦争中にいるの?タイムスリップ?
待って、冷静に考えてみよう!
私はなんかの拍子にタイムスリップした。
そして今は1945年の8月5日。
1945年の8月5日っていったら、あっそうだ大変、ここは広島!明日原爆が墜ちる。
さっき資料館で見たわ!たしか原爆が墜ちるのは明日の朝、8時15分だ・・・・・
時計を合わせなくちゃ」

まな美は綾美に時間を聞いて、腕時計の時間を合わせた。