難破船


『お母さん、ちょっと出てくる!』


あわてて部屋を
飛び出し

叫んだ



『ちょっと待ちなさい。こんな時間に、雫!!?』


『彼が、啓介がいるの!!』


玄関のドアをあけて

私は外へ出た