「深秋達とまた、仲良くできると思う?」


絵美ちゃんは、片手でわたしのほっぺたをつねった。


「できるよ」


痛い、ほっぺた、痛い。


「間宮さんが頑張れば」

絵美ちゃんはやっと手を離して笑った。

それから、いいこと教えてあげる、といたずらっぽく言った。


「あの人達、バカだから。仲直りの仕方、忘れちゃったんだよ。本音は間宮さんと仲直りしたいと思ってる。今は空回ってまたいじめちゃってるだけ」


ホントに?

ホントにそう思う?


「できるかな」


「間宮さん変わったから、大丈夫なんじゃない?」


絵美ちゃんの言葉がいつも勇気をくれる。

絵美ちゃんっていつも強いんだね。

わたしも、そんなふうになれたらいいなと思う。

明日から、部活にいこう。


「頑張るよ」


わたしも笑えた。

絵美ちゃんの隣だからかな、なんて。

絵美ちゃんはふうんと言った。

やっと絵美ちゃんと友達になれた気がする。


空が暗くなるまで、黙って二人で並んでいた。