黒い自分が、頭をもたげる。

わたしを傷つけたこと、忘れてほしくない。

わたしと友達になっちゃったら、きっといつまでも罪悪感と過ごすことになる―…。

その気持ちが全くなかったとは言い切れない。


「えげつないね」


絵美ちゃんは隣でボソッとつぶやいた。

ホントに絵美ちゃんは誤魔化せない。

いつも見透かされているような気持ちになる。


「いいんじゃない、なかなか言えるじゃん間宮さん」


絵美ちゃんは小さく笑っていた。


「…そうかな?」

「そうだよ」


今度はわたしも笑えた。二人で顔を見合わせてふふって笑った。


「バスケしよっか?」


絵美ちゃんに言ってみた。


「…別に、いいけど」


絵美ちゃんは一瞬困ったような顔をした、ように見えた。