走って走って、走った。 悲しくて、悔しくて、自分が惨めで泣きながら走った。 涙が後ろに流れて乱れた髪にからむ。 最近走ってばっかりだ。 部活にいかなくなって運動不足なのが身に染みてわかる。 それでも、走るのをやめられなかった。 何も考えたくない。 …―バスケ、バスケしよう。 いつの間にか来ていた公園でスクールバッグだけをベンチに放り投げて、落ちていたボールを手にとった。