美優が外で俺を待ってるのには、理由がある。


誰もいない部屋に一人でいたくないのだ。


「美優、出来たぞ」


美優専用のカップにカフェオレをたっぷり入れ、自分のカップにはブラックのコーヒーを注ぎ、リビングに戻る。


「美優?」


ソファーの前のテーブルにカップを置き、そっと美優の様子をうかがう。


美優はソファーに寝転がり、クッションに顔を押しあて泣いていた。


「美優・・・」


そっと頭をなでる。


「みー兄」


俺に抱きついてきた美優は、肩を震わせて泣いた。


「美優」


名前を呼び、背中をなでる。


「家にいたくないよ、みー兄」


美優が小さく呟いた。