「そっか」


美優のサラサラした髪に指を通す。


それでも何か食べさせないとと思い、冷蔵庫の中を思い浮かべていると、みー兄と美優が小さく俺の名前を呼んだ。


「ん?」


「やっぱり、カフェオレ飲みたい。甘いの」


「はいはい」


ポンポンと頭をなでて、美優を膝から下ろし隣に座らせる。


近くにあったクッションをギュッと握りしめた美優を見て、俺はキッチンに向かった。


甘いカフェオレは、美優の大好物。


「美優」


キッチンから美優に声をかける。


「この部屋の鍵渡してあるだろ?今度からは家の中に入って待ってろよ」


返事はない。


というか、ソファーから出ていた美優の頭が消えている。


きっと、ソファーに寝転んだんだろう。