「さあ、何がしたい?マサヤ」
タクシーでスツェット家に着いたとたん、ターミーがいたずらっぽい目をして、僕に尋ねた。僕は寝不足なんかふっとんでしまった。
彼女が僕の名前を呼ぶたびに、恥ずかしさと、イントネーションの違いからくる響きのくすぐったさで胸が一杯になった。
「そうだな、ちょっと思いつかない。君は何がしたいの?」
僕はそう言った。
「そうね、普段は友達とショッピングに行ったり、海に泳ぎに行ったりするけれど、男の人とはまだ行動したことが無いから、見当もつかないわ」
(男の人とはまだ行動したことが無い?そう言った?)



