枕元の電話の内線ベルが鳴った。朝の9時。和樹からだった。 「悪いが俺はちょっと遅れて行くよ。ジョージが30分後にロビーに迎えに来る」 「どれくらい遅れそうですか?」 僕は尋ねた。和樹抜きで取引先の家に行くのは気がひけたからだ。少しの遅れならジョージに待ってもらって、出来れば一緒に行きたかった。 「どれくらいって、うーん、そうだなぁー。・・・おいっ、止めろ。・・・いや、あの、とにかくジョージの家に電話する」 和樹は一方的に電話を切ってしまった。