対人関係でも、里美は何の問題も無かった。


僕の悪友達はおろか、ここ数年盆正月に新潟の僕の田舎に帰省するときも、彼女は家族に混じって娘のように過ごしていたし、保守的な両親も里美には太鼓判を押した。


彼女は知り合った頃からとても落ち着いていたし、僕よりずっと大人だった。


いつもは支配者側の僕も、二人きりになるとしばしば彼女にあまったれた事も認める。


里美は、関白の僕にも、腕白の僕にも優しく接した。


早くから伴侶が決まっていたようなものなので、独身の友人たちが彼女を探すのに必死の時も、僕は身も心も余裕を持って仕事や趣味に打ち込む事が出来た。