和樹はジョージと僕の為に、備え付けの冷蔵庫からサンミゲルというラベルのついたビールを取り出した。自分の為にはスコッチのオンザロックを作っていた。


和樹とジョージはお互いの家族の話や何かをし出したので、僕は二本目のビールを取りに冷蔵庫へ向かった。


ジョージにおかわりを勧めるかどうか、話の合間のタイミングを計っていると、和樹が話しかけて来た。


「明日、君の歓迎会をジョージの家でやってくれるそうだ」


僕は礼を言った。が、同時に、仕事の話はいつするのか待っていた。


「雅也君、そろそろ君の部屋に行こう。ジョン達との約束まで時間がある」


「え?何故僕の部屋に?」


「いいから、いいから。・・・じゃジョージ、俺は明け方戻るからキーはフロントに預けといてくれ」


和樹はルームキーをジョージに放った。


彼は無表情で、片手でそれをキャッチした。