はつ恋



里美が、よく冷えたビールをお盆にのせて持ってきた。


シュポンとセンを抜く音だけが、茶の間に響いた。


「親父達、何時頃帰るって言ってた?」


僕は里美にビールを注いでもらいながら尋ねた。


「雅美が一緒だからそんなに遅くはならないと思いますけど。踊りが終わる9時までは広場にいるはずです。お義母さんお好きだから」


「そうか、じゃあ飯も屋台やなんかで食べてくるかな?」


「ええ、そう思います」


里美は暖かい笑顔を僕に投げかけた。





僕は里美の笑顔の素晴らしさをやっと思い出した。


ちっとも変わってない優しい笑顔だった。