ある日、急なシフト変更で明るいうちに僕が帰ると珍しく家には里美だけだった。 「親父達と雅美は?」 「盆踊りに出かけたのよ。雅美ったらおばあちゃんに浴衣を着せてもらってはしゃいじゃって・・・」 里美が明るく言った。 年中行事など忘れていた僕は 「そうか」 とだけ答えた。 「何か召し上がります?」 いつもの優しい声。 「そうだな、とりあえずビールをくれないか?」 僕は里美の方を見ず背中で答え、新聞とテレビのリモコンを掴んでいた。 スイッチを押し、ニュースチャンネルにあわせた。