はつ恋



「いいお部屋ね」


ドアと開けるなり、里美はそう言ってベッドに腰を下ろした。


僕は、昨夜同じようにそこに腰掛けていたターミーを思い出していた。


「テニスコートに予約を入れるよ」


僕は部屋から出たかった。


「ごめんなさい雅也、テニスは出来ないわ。本当は旅行も控えたかったんだけど」


「・・・えっ?」


(何を言ってるんだろう)


「赤ちゃんができたのよ。私たち結婚を決めてから、バースコントロールしていなかったでしょう?ウエディングドレスを着る頃には目立っちゃうかしら、恥ずかしいわ」


里美はそう言って、下腹部を撫でた。