和樹は里美を見ると、まず喜んで、それから母親と奥さんと子供達の様子を聞きだした。彼は本当に家族を愛している。そしてきっとセブの家族も。


僕は里美をホテルに連れて行くからと、和樹に言って病室を出た。


玄関でリディアとすれ違った。子供を二人連れていた。なんとなく和樹に似ていた。


僕は彼女に挨拶をしなかった。彼女も同じだった。


ホテルに着くまで僕は無言で運転をした。


里美は無邪気な顔で景色を眺めていた。