運転手がチラチラとバックミラーを覗いて僕らを見た。 僕は構わずターミーの肩に手をまわして、こちらに引き寄せた。 そうしながらも僕は彼女に心臓の音が聞こえやしないかと、汗をかいていた。 タクシーにクーラーがついていないのも、一理あったかもしれない。 スツェット家の門の前でタクシーを止めた。 僕は先に車を出て、ターミーの手を取って彼女を降ろした。 ここが日本なら、恥ずかしくて出来ないなと僕は思った。