ジョンとフレッドは僕と同じくらいか、少し上かって年恰好に見えた。
ところが二人とも僕より下だった。それも5歳と7歳も。
「髭は大人っぽく見えるからな。女に馬鹿にされずに済むのさ!!」
22歳のフレッドはイキがった口調で言った。
「そうかな、髭なんかでごまかすのは、厚化粧の女性と一緒だ。すぐに中身が知れてしまうのに」
僕が返した。
「雅也君のように体格もルックスもよければ自然に女が寄ってくるだろうけど、あいつらは食いぶちさえ満足に与えられないで育ってきたから貧弱な身体をしている。せめてもの男らしさを強調する武器なのさ」
和樹は笑ってスーツケースをトラックの荷台に積み込みながらそう言った。
ジョンは見張りのため荷台にヒョイと飛び乗った。



