「俺は独身だ。あんたとはちょっと立場が違うだろ、カズ」


ジョンは肩をすくめ笑いながら言った。


「フレッドお前はどうなんだ?女は卒業か?」


和樹はジョンと握手をしたままで、口髭の男に話題をふった。


「こいつはエンゲージチェーンで繋がれちまったからな。しばらくはダイアンオンリーさ」


ジョンがフレッドの代わりに答えた。


「何だ、結婚したのか?」


「正式には未だだが、産まれる迄に式を挙げねえ事には、ダイアンの親父に脳天割られて脳みそと山羊の糞を入れ替えられちまう」


フレッドがおどけた。


「どじったもんだぜ」


ジョンが笑った。


「そうか、子供が出来たのか。それじゃあ少しは落ち着かないとな」


和樹が言った。


「そのセリフは説得力が無いなあ。なにしろカズ、あんたはこのセブに二人も・・・」


「おーーっと忘れていた!紹介しよう。俺の義弟になる予定の高井雅也だ。今後は俺と一緒に仕事をする」


和樹は、フレッドの言葉を遮るようにそう言った。