「ジュディはどうなの?」
「叔母は、僕が中国人のワイフを探してくるものだとばかり思っているだろうから、それについては話したこともないよ」
「なんだ。それじゃあ反対されてるわけじゃないんだ。・・・話してみたら?こう言っちゃあ失礼だけど君の御祖父母はそうとう御歳を召してるだろ、大陸からの旅はどうなの?」
「もっぱらこちらからの往復さ」
「じゃあ、ジュディを説得すればいいだけだ。とりあえずマリアとは二人だけの婚約に留めておいて根気強く一族を説得し、時期を見て一緒になればいいじゃないか」
「そう上手く行くかな?」
「君次第さ。それとも御祖父母や一族を喜ばせる為に、自分を偽って愛のない結婚をするかい?」
「そんなのはまっぴらごめんだ。マサヤありがとう。目の前のベールが剥がれた気分だよ」
「万が一、ジュディが賛成してくれなかったら?」
僕は念のため聞いてみた。
「その時はマリアを連れて駆け落ちでもするさ!」
ジョージは話し始めとは打って変わって、自信に満ちた表情になっていた。
「そのいきだ。そうなったら僕も協力は惜しまないよ」
僕はジョージの肩をたたいてそう言った。



