ジョージは急ぎ足で僕らに近づいてきた。
「ターミー、お前顔が赤いな。それに少し酒臭いぞ。いや、そんな事は今はどうでもいいんだ。マサヤ相談がある、・・・お前は先に家に帰るんだ。まだジプニーが走ってる時間だ」
ジョージはターミーを見てそう言った。
(ほんとだ、顔が赤い。僕に照れているのかな?そうならいいな。いや、酒のせいだな、きっと)
「いやよ、まだ此処にいたいわ私」
ターミーは動かない。
「いいから行け!同じ事を二度言わせるな」
ジョージの声にフロアで踊っていた連中が、怪訝そうな視線をこちらに向けた。
「とにかく、お前の部屋に行こうマサヤ」
ジョージは強引に僕の肩を後ろから押して、バーから追い出した。
振り返るとダンスフロアで呆然を立ち尽くすターミーがいた。