僕は彼女が僕に興味を持ってくれたらしい喜びにとまどって、柄にも無く照れてしまい、むきになって言い合いをしてしまった事を反省した。


(大人気ないぞ)


「・・・ごめんよ。僕の聞き違いだ。機嫌を直してよ」


僕は謝った。素直に謝った。


僕は見上げるターミーの瞳は涙で潤んでた。


(まさか、くやし涙?)


「聞き間違いじゃないわ、私確かにそう言ったもの。でもそれはマサヤに出逢うまでの考えだわ」


ターミーは恥ずかしそうに、僕の腕の中でうつむいた。僕はドキッとした。


「今度こそ聞き間違って無いだろうな。今、君・・・何て?」


「一度しか言わない!」


ターミーは意志の強そうな目で僕を見た。


僕は彼女の淡いピンクに色づいた唇を求めて、背中を傾げた。


(なんだ、この展開は。あー、駄目だ、止められない)


ターミーは静かに目を閉じた。


(落ち着け、彼女は酔っているんだ、間違いを起すんじゃない!・・・だけど・・)


神様、あなたはこの天使と引き換えに何を奪いたいのですか?


僕はこの瞬間、どんなハードな条件を出されても呑んだだろう。


だが、僕を呼ぶ声がそれを遮った。