春――――
少し寒いくらいの風―――
そんな風が頬を撫でている――――
3年生が終わり、4年生へ進級する4月に、
僕、赤星歌南は、
一つの小学校を卒業する―――――――・・・


☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*


――朝休み――


小学校へ着くと、外とは違う独特の空気感じながら教室へ向かう。

何時もとは違う感覚を味わっていると、
何時もと同じ声が聞こえてきた。



「歌っー南っっ!!!」

「京」

元気の良い弾んだ声で、同じクラスの満山京子が駆け寄ってきた。

京子のアダ名は「京」。
なんか、「『子』って嫌いなんだよね!!」
とか言って、(無理矢理)皆に呼んで(呼ばせて)もらっている。




「ついに今日だね・・・」


いきなりシリアスムード。

(僕、こういう空気大っっっ嫌いなんだけどな。)
と、思いながら、

「・・・そうだねぇ・・・」
と、返した。


「『・・・そうだねぇ・・・』って!!!悲しくないのか!!!!!!
  ウチはこんなにも悲しんでいるというのにっ・・・!!!!」

と、言って涙を流している。


「あ~・・・ゴメン。目薬見えたわ。」

「あ、バレたか。流石歌南!!!!!
 このウチの最高の愛で歌南を包んであげっるっ!!!!」

「抱きつくなァァァ!!!!」

勢いよく飛びかかって(抱きついて)来たものの、
僕が避けたため、床にダイブ。
そして、
「いっだだだただっ!!」
摩擦で、ものすごく痛がっている。

それを見ていたら、笑いが堪えられなくなった。


「いてて・・・てか、歌南笑わないで。
  これでも恥ずかしがってるんだよ?」
「ああ、ごめん・・・っぷ・・・」
「だーーーかーーらぁーーー!!!」