「何してんだよ!」

私の泣き顔を見るなり、血相を変える恭一に、
肩を掴まれた隆志は、

「勘違いすんな!」と、

私の荷物を差し出した。


「違うのきょーちゃん!相談にのってもらってて」

「なんのだよ!?」

「それは…」

「言えねーことかよ!」

「恭一にだから言いづらい事とか、あんだろ!」

割って入った隆志の言葉を、
恭一は、どう受け止めたのか、

「…わかったよ。じゃあ、何でも隆志に聞いてもらえや!」と

何も聞かずに、とっとと帰って行ってしまった。


それからというもの、
電話に出てもらえなければ、教室でも無視される私。


そのままでいれば、もしかして、なんとかなったのかもしれないが、

隆志が私を泣かせたと、
勘違いしたままということが、気持ちが悪く、

バスケ部での自分の出来事など、恥ずかしがてる場合ではないと、

弁解の手紙を書いた私は、
うかつにも、また、下駄箱へと向かった。


すると、

小扉の向うに、この前とは違う封筒が…

「(すべての根源はこれじゃん!)もう!なんなのよ!」


煮えたぎる思いから、力一杯、扉を閉めた私は、
教室に戻ると、恭一の前に立ちはだかり、一言。

「何様のつもり?いい加減にしてよね!」


その日を境に、話をしてない私達を見て、
破局説が浮上したが、
お互い、それを否定はしなかった。