次の日から、
張り切って、マネージャー役をかって出た。

これで、1勝でも多く、勝ち進むことが出来たらと思うと、
プレイができなくても、気が紛れたし、やりがいにもなったのだった。


でも、それを、良くは思ってない者が居ることを、
キャプテン同士を通じ、
のちに、隆志の口から聞かされた。

「怪我人らしくしててほしいって…皆が皆、そう思っている訳じゃないと思うよ。ただ、試合も近いし、キャプテンとして、まとめるのが大変なんだろ。」


善かれと思っていた事が、気兼ねやプレッシャーを与えていたなんて…

ショックを隠せない私が、
人目も気にせず、しくしくと泣き歩く帰り道、

さすがの隆志も、ただ黙るしかなかった。


片手はギブス、
片手は荷物で泣きじゃくる私に、
隆志はハンカチを差出し

「荷物持つよ」と

カバンに手を添えた。


「イイってば!」

意地を張って振り払い、バランスを崩す私を、

「あぶねっ」と、

とっさに、支えてくれた隆志は

「ムキになるなよ!」

とうとう怒鳴りつけた。


「そんなとこが痛々しくて、逆に邪魔なんだよ。」

そう言って、カバンを取り上げる隆志に、
私は、八つ当りに体当たりするが、ビクともせず、

逆に、そんな私の背中を、
トントンと、
慰める様に叩いてみせた時だった…

「何してんの?」

突然の恭一の声に、
反射的に離れてから、振り返るふたり。