「マジっすよ!“恩田のこと馬鹿にすんじゃねー”って…ホレられてますね〜。ていうか俺、今だに睨まれるんすけど、なんとかなりませんかアレ。」

「ていうか、その言葉使い、なんとかならない?」

「マジっすか〜。」

(そうだ!きょーちゃんはあたしにメタ惚れなんだ!何を悩んでるんだ!)

そう、自分に言い聞かせていた。


修学旅行では、
クラスメートが、二人の写真を撮ってくれて…

今や、二人は公認の仲だった。

そんなはずの、ある日、

急遽、バスケの練習が無くなり、
メモを下駄箱に残して帰ろうとした時、

そこには、先客が居た。

もう一度、名前を確かめたが、
やはり恭一の下駄箱だ。


その日の夜の電話のベルは、恭一からだった。

「なんだよ、先、帰るなら言ってけよ!」

「ごめん。急にね。」

「体育館に見に行ったら、バレー部がストレッチしてて、女どもに睨まれたよ。おまえらなんか見てねーっつーの!」

「ぷっ…探してくれちゃった?」

「通っただけだよ!」

「(あの渡り廊下をわざわざ渡っておいて?)…ごめんね!…メモ書いたんだけど、下駄箱に入れようとして……忘れちゃった!」

「言いに来りゃあイイじゃん。」

「そうだね…今度からそうする。(あれ?下駄箱の件、自然に話が流れたや!手紙に気が付いてないのかな?まさかねぇ)」

「どっか行ったの?」

「うん、鈴ちゃんとね。…きょーちゃんは?」

「なにが?」