(見られてないよね?)

「さっき、家の前で声がしたのに居ないから、誘拐かと思って…て言うのは嘘だけど。」

「あ、すみません!」

「ヤダ、お母さん!」

「だって、みずくさいじゃない…家の中で話せば良いのに。中学生の男女が夜の公園になんか居たら、怪しまれるわよ〜。」

「は〜い。(ヤバっ)」

「さてと、お肉が冷めちゃうんだけど。」

「やっぱり、そこだ。」

「きょーちゃんも、どう?」

「いいえ、かーちゃん帰ってると思うから。」

「お母さん元気?相変わらず仕事忙しいの?」

「まあ。」

「久しぶりに皆で、忘年会でもやりましょうって伝えて!」

「あ、はい!じゃあ、失礼します。」


帰って行く恭一の背中を、ふたりで見送っていると

「つきあってるの?」

そう尋ねてくる母に、

胸を張って頷いてみせた。

「そっか〜!てっきり、たーくんだと思ってたけど。」

「なんで?」

「んー、なんとなく。…でも、プレゼント抱えて帰ってく、あの姿を見たら、安心したわ!」

「…」

「きょーちゃんからは、何貰ったの?」

「え!えっとー」

「そんなものよね〜、中学生の男の子なんて。
あ!まさか、キスでもせがんだんじゃないでしょうね〜」

「な、何言ってるの!」

「ママより早いのはダメよ!」

「え〜。(こうゆう母親で良かった。」