隆志の方が、よっぽど気が利くなどと言われる度、
私は隆志に八つ当りをしたものだ。


その点、同性の鈴ちゃんには、素直に接することができた。


鈴ちゃんのおかげで、
私も少しずつ、クラスに馴染んでいくことができたのだ。


教室の移動の時も、休み時間も、

私のまわりに女の子が居るようになった。


「昨日のドラマ観た?」

「観た〜、カッコ良かった〜!」

まわりはいつも、イケメン話でもちきりだ。


それなら、まだ、ついていけたのだけど…

好きな男の子の話の時は面倒だった。


「みっちゃんは誰が好きなの?」

「え〜。」

「気になる子ぐらいはいるんでしょ?」

「ん〜?」

(気になる子…きょーちゃん?ああ!そう言えば、
ふたり乗り自転車の奴等と、いつも一緒にいる、あの男の子…)


最近、ホント頻繁に
あの男の子を見掛ける。


学校でも公園でも、
チラチラと目が合うので、
こっちも、つい、また見てしまうのだ。


(あの子は何なのだろう?)

ホラ!

確かに気にはなっている。