3人で帰るのは、本当に久しぶりのことで
はしゃがずにいられない私は、
今後も、こんなことが続くのだと、心弾ませていた。


「へー、幅跳びも!」

「まだ、決定じゃないんだけどな…今、俺が一番、距離出すんだよ」

「スゴい!昔、そんな有名な選手居なかったっけ?」

「?。でも俺、どちらかというと、高跳びに興味があるんだけど、本多が、そう言うからさぁ」

(ふうん。先生の言うことに、従うんだぁ。)

恭一の穏やかな顔を見ながら、
こっちの顔もニヤけてしまうのを、抑えながら聞いていた。


そのうちに、隆志の家が見えてきた。

「じゃあな。」

いつもなら、
私の家まで送ってくれる隆志だが、
今日は、
それより先に家のある恭一が居るので、
さっさと家へ入っしまい

私は急に、よそよそしくなった。

なんてったって、ふたりっきりになるのは、
あの口喧嘩以来なのだから、仕方がない。


「…急に黙るなよ。」

歩きながら恭一は言った。

「うん…」

私は、少し後ろを歩いていく。

「…ごめん。」

そんな恭一の言葉に、胸が、キュンと反応して、

「な、何が?」

声が裏返ってしまった。

「俺、そんなに恐い?」

「…恐いかも。」

「はぁ?…マジで?」

恭一は振り返って私を見た。