「なんだ?どうした?」

「…居場所が無いの…」

「何言ってんだ!なんでバスケ部に行かない?」

「まだ、ただ見てるだけなんて、辛いもん…」

「だったら、こっちに来い!シゴイてやるから!」

「でも、」

「ただし、条件があるぞ…バスケの試合には、必ず応援に行くこと!」

「言われなくても行くよ!」

「練習に顔を出すのも忘れるなよ!きちんと見守ってやれや〜。これまで一緒にやってきた仲間だろ…遠慮なんかするな!」

「…」

「な!」

「…はい。」


そして、勇気をもって、
体操着に着替えた私は、
まずは、本多が言うように、
体育館に顔を出した。


「みっちゃん!」

奈央が大声をあげると、
練習は一時中断した。

「どうしたの?練習できるの?」

「違うの!怪我のあいだ、陸上で下半身だけでも鍛えておくことになってね。」

「え〜、なにそれ〜!」

予想どおり、不満そうな声があがった。


「なに言ってんのよ!」

かなりご立腹の奈央に、

「担任が本多でしょ。気を遣ってくれてさ〜。」

私は言い訳をはじめた。


「今更、何なの!皆のせいじゃん!」

でも、どうやら、奈央の怒りの矛先は
新井を中心に向けられているようだった。

「みっちゃん、そんなに気を使わないでいいよ!」

「気なんか使ってないよ〜!」