愛しい人へ



「俺は、拓海だけが本当の愛を
夏木に教えることができると思ってる。」




「なんだよ、それ」



俺はチラッとタケを見た。




「だって夏木は、
 普通の恋人同士ってなんなのか
 知らないわけじゃん・・。」





タケのトーンが下がる。



「そうだな」







「お前は優しすぎるんだよ。」




タケはそれだけ最後に言って席に戻った。







俺は机にバタンキュー。