愛しい人へ



「やっと駅ついたぁー。もう寒くて死んじゃうよ」


雅人がぶるぶると体を震わせる。



「はやく行こうぜ!」

俺ら3人が改札口を通ろうとしたとき、

遠くで怒鳴り声が聞える。


3人とも同時に嫌な予感がした。




とおり過ぎる人がみんな見ているので、

すぐにどこかわかった。



そして誰かもわかった。




雅人が心配そうに俺に言う。


「夏木・・・だよね?」



「まじ」

タケは噂は聞いていたが
初めて現場をみたらしく、衝撃を受けている。



夏木は朝と同じように下を向いている。



「行こう」


俺はそう言った。



「えっ?」タケも雅人も驚いてる。


俺はふたりをおいて、改札口に入った。


慌てて2人も改札を通った。