愛しい人へ



俺らは

店の前のイスに腰掛ける。




店の屋根で日陰になっていて、
ずいぶん涼しく感じた。





ジュースを飲み終わると、
梨絵はすぐに


「拓海の物買いに行こう!」


と言った。



「俺、別にほしいものねーし」


「探せば良いの!」



梨絵は俺の腕に腕をからめる。






結局 俺は梨絵がかわいいといった帽子を買った。





「かっこいい!!」


俺が帽子をかぶってるところは初めてみると
はしゃいでいた。



「じゃあこれ買うよ」


なんとなく恥ずかしいけど、
俺は買うことに迷いはなかった。