「それだけじゃなくて。
2/8に僕がメールしたらlovefoxxxはちょうど数学の授業を受けてた。
調べてみたらあの曜日のあの時間帯で数学の授業があるのは南さんのクラスだけだった。
で、そのメールではlovefoxxxは三角関数がわからないって言ってた。
前に一度、南さん三角関数の宿題で居残りしてたじゃん?
三角関数が苦手ってところもlovefoxxxと一緒。
あと、あのアンケート。
南さんの好きな色と食べ物。
それぞれオレンジといちごだって言ってたよね。
lovefoxxxから直接聞いてはいなかったけど、思えばlovefoxxxのデコメってオレンジ系がダントツで多かったし、絵文字もさあ、よくいちごの絵文字使ってたなあって。
それから」

冬月くんはまたふふっと鼻で笑った。

「めっちゃネットとかで頑張って調べてみても、CSIっていう歌手はいなかった」

私は決まり悪くて、なんと言ったらいいのかわからなかったけど、冬月くんは話し続けた。
まだあるのか。

「でも、南さんがlovefoxxxだって確信を持ったのは南さんとよく話すようになってからなんだ。
南さんになら何でも話せた、自然と。
そんなところもlovefoxxxと同じだと思ったから。
で、わかった時点でいわなかったのは、やっぱすぐに言ったって否定されて終わりかなと思ってさ。
そうなったら困るから。
…前から好きだったし。
だから、ホワイトデーまでに振り向いてもらえるように頑張ろうと思って、うん。
そういうこと」