けどもう終わってる。
自分で終わらせたんだ、lovefoxxxじゃないって否定して。
冬月くんが私と一緒にいる理由を消しちゃったんだ。
もうこれからずっと、2人で喋ったり、一緒に帰ったりすることはないんだ。

それを考えると後悔で胸がいっぱいになる。
そんなの嫌。
やっぱり私は冬月くんのことが好きなんだ。
でも気持ちが通じ合うチャンスを自ら潰した。
自分は冬月くんにふさわしくないし、佐藤さんにはかなわないって思ってたから。

バカだ…。
夏帆ちゃんは佐藤さんより私の方がいいってすごく言ってくれたのに、私はそれを聞き入れず、冬月くんは佐藤さんと一緒にいる方がいいって考えを変えなかった。
冬月くんだって佐藤さんのこと嫌がってたのに。

どうしてそんな風に思い込んだんだろう。
…それはやっぱり自分に自信がなかったからだ。
私の中に好きになれるところって見つけられない、一つも。
嫌なところばかり目につく。
どこもかしこも普通で目立たなくて、人に誇れるものがない。


…でも、そんな私を冬月くんは好きになってくれたんだよね。
夏帆ちゃんも、友達として。

2人はたくさんの人がいる中で、私を選んで一緒にいてくれたんだ。
私に特別なところなんてないのに。

それってすごく嬉しい。
これ以上ないってくらいに。

もしかしたら、自分よりも周りにいる人の方が自分の良さをわかってくれてるものなのかもしれないな。
そういう人がいるなら、自分に特別なところなんてない、なんてくよくよ悩む必要はないのかも。
自分を好いてくれてる人がいるということが、自分を好きになるきっかけになるのかも。
そして、それが自信になるんだろうな。

そう考えると、私の中に自信の芽がひょこっと出てきたような気がした。


でも気付くの遅かった。
もう何もかも終わった後だし…。
冬月くんはlovefoxxxじゃないと判明した時点で私のことなんて何とも思っていなくて、今はもう気持ちを偽lovefoxxxの佐藤さんに完全にシフトチェンジしているかもしれない…。

って、ここで諦めちゃダメじゃん。
全然成長出来てない。
勇気出さなきゃ。
本物のlovefoxxxは私なんだから。