「ああ、うん。いる」

顔真っ赤だ…。
胸に矢がグサリ。
なんかショック…。

「そうなんだ」
「絶対片想いだけど」

冬月くんが好きになるっていったらどんだけすごい人なんだろ。
才色兼備なお嬢様?
私は恐る恐る聞いてみる。

「どんな人?」

冬月くんがだんだん落ち着きをなくしてきた。
わかりやすすぎる。
どんだけ恋い焦がれてるのかしら。

「すごくいい子だよ」

でしょうね。
そしてかなりの美人さんなんでしょうね。

「うん、実は、バカみたいだけど」
「うん?」
「えっと…」
「?」
「…この前話したメル友のことが好きなんだ」
「へ?」

は?私!?

「アホだよね…実際会ったことないのに」

隣にいますけど!
やだ~私まで赤くなってきたよ…。

「メールしてるうちに好きになっちゃって。だから今必死こいて探してんだ」
「あ、そういうこと…」
「うん」
「はあ…」

落ち着け私。

「終わってるかな、一度拒否られてるし」
「そんなことは…」
「どう思う?」
「そんなことはないんじゃないかな…?」

なんて言ってみるけど、

「まだ望あるかな」
「あ、あるんじゃない?」

なんて言ってみるけど、

「そっか、よかった。あの子今どうしてるんだろうな」

冬月くんが私にそんなことをぶっちゃけたところでもう「私がlovefoxxxです」なんて出ていけないよ、完璧に!
そんなことを言うなんて、私がlovefoxxxだって全く思ってないからに決まってんじゃん…。

嬉しいけど悲しくて、すごく複雑な気分。
冬月くんはホワイトデーまでにちゃんと気付くのかな?
私がlovefoxxxだって。