まぁ、別に彼女が図書室に来ることは珍しくない。

今までにだって何度か貸出受付を行なった記憶がある。

俺が読むのとは全然違う小難しい本ばかりだったから記憶に残ってた。



しかしどうやら今日の彼女はいつもと違うらしい。

ドアを開けるなり一直線に俺のいるカウンターに向かってやって来たのだ。

本を探す素振りすらない。

しかもその表情は眉をよせ、口もへのじに結んで怒っている様子。

そう、足音を付けるならズンズンという感じがぴったし。