「いや、他の人は知らないんじゃないかな?」

…だってここにいるのは俺らだけだし。

その返事を聞いて安堵する彼女。


そんなに自分の演技が下手だったのを他人に知られたくないのだろうか。

女優狙ってたのか?

やっぱりこいつにも得手不得手があるんだな。

そんな分析をしている俺をよそに彼女は落ち着きを取り戻していた。


「で、付き合ってくれるの?それともダメなの?」

先程とは違い普段どおりの凜とした声が上から降ってきた。



「はっ?でも…」

罰ゲームだろこれ?