すると彼方は自分の机に添えてあるイスに腰かけ、苦しそうな俺を見下ろした。



「ふふっ。まぁ…そんなことよりも早くカメラ出してくれないかな?」



彼方はそう言うと、俺に片手を差し伸べた。



ちくしょう!まだ苦しいのに…
このドS王子様。マジで容赦ないな( ̄へ ̄|||)



「は…はい。」



俺はしかたないと思いながら、ゆっくりと手を伸ばし彼方にカメラを渡した。



カメラが彼方の手に渡ると、さっそく彼方はカメラの中身を確認し始めた。



「…ふーん…。」



「あ…の…ど…どうでしょうか?」



俺が恐る恐る口を開いたその瞬間、俺のほほに鈍い痛みが走った。




なぜならいきなり彼方が俺の頬をむぎゅっとつねって、思い切り強くひっぱったのだ。




「っててて!!!な、なんでぇぇぇえええ!!」




「あはっ。なんでじゃないでしょ?」




続いて、彼方は俺の胸元の服をギュッと掴むと自分の方に勢いよく引き寄せた。



「…うっ」



「ねぇ、遥。僕はね。早瀬先生の写真取ってきてって言ったでしょ?」



「は、は…はい。」



「じゃあ、コレは何?」



すると彼方は、俺にカメラの再生画面を見せてきた。



その画面には、大樹さんとヤマト兄が楽しそうに笑っている写真のデータが映し出されていた。