「だ、だめかな?」



「ははは、いいに決まってるじゃないか?おばさんもきっと喜ぶよ。」



「ほ、本当?あ、ありがとう。」



「なんだよ。写真くらいで改まって。」



よかった。
ヤマト兄は心から引き受けてくれるみたいだ。
俺は罪悪感を持ちながらもしぶしぶ彼方からもらったカメラをズボンのポケットから取り出した。



「じゃあ、カメラ持ってきたから、さっそくだけど、今から撮ってもいいかな?」



「ああ。いいぜ。」



俺はカメラの電源を入れ、やがて構える。
するとヤマト兄は、大樹さんのいる方を向いた。



「…あ。せっかくだから大樹!お前も一緒に写れよ。」



「はぁ?なんで俺も一緒なんだよ。」



「なんか一人で写真に写るのもアレだしさ。写真撮るなんて久しぶりだし、いいじゃん。」



「ちっ。ったく何言ってんだよ。」



まぁ、ヤマト兄だけを撮れって話だったけど、良く考えたら一人を撮るのも不自然だよな。
大樹さんと一緒に撮れば、不自然ではなくなるからたくさんの枚数を撮ることができるかも。



「ま!しょーがねーなー。一緒に並んでやるか。」



「ああ。頼むよ。」



大樹さんは、ヤマト兄のとなりに並ぶ。



「あ、じゃあ、撮りますね。」



俺は、二人が並ぶとカメラを構える。