「あー、そうか。でも遥は今知っちゃったんだよね。…僕の趣味。」



「え!?」



「はい。そこで問題です。僕の秘密と言えるその趣味を知っちゃった君はこれからどうするのかな?」



彼方は俺の目の前に戻ってくると、首を傾げて俺を楽しそうに見た。



すいません(; ´_ゝ`) 
そんなことを聞かれたところで、俺にはどうすることも出来ません。
てか、思いつきもしません。



てか、そもそも…。



「し、知っちゃった、ていうか…。」



俺はこの立場におかれて初めて、勇気を振り絞って彼方に口を開いた。



やっと俺の口が開いたのにも関わらず、彼方は余裕な笑みを浮かべている。



俺はそのまま言葉を続ける。



「その…。俺は秘密を知りたくて知ったわけじゃないというか…」



「でも知ったことには変わりないよね?」



彼方がサラリと答えるが、やっと勢いに乗り始めた俺は後には引かなかった。



「変わりはないって…。たしかに非常識だし申し訳なかったとはいえ、俺はたまたま部屋の中を覗いてしまっただけであって…。」




それに…。



「もし彼方がその後に俺にいろいろと話さなければ…。俺、たぶん、その彼方の趣味のこと、全く理解できなかったと思うし…。」



俺がそう話し始めると、彼方は何も反論せず口を閉じた。