…とその時。俺はここである事に気づかされる。








俺と愛穂は床に倒れこんだのだが、彼女は俺のちょうど胸の上に乗っかっている。








しかも俺の両手は彼女の背中をしっかりと包んでおり、まるで抱き合ってるような状態であった。







ちょ、ちょちょちょちょ━━(゚ Д゚;)━━!!







ちょっと待て━━(゚ Д゚;)━━!!







お、俺、もしかして今…。







室 長 と 
抱 き 合 っ て る !?
(事故でだけど…)









一気に俺の鼓動が早くなり、顔を真っ赤にすると愛穂が床に腕をついてそのまま倒れた身体を起こす。








「よかった…。というか、ごめんなさい。私がもっと注意深くしてれば…。」








室長が俺に謝りながら俺の身体から離れ床にペタンと座ると、申し訳なさそうに俺をなだめた。








だが俺はアクシデントにより初めて女子と抱き合ってしまったという事に動揺を隠すことが出来ず、ハッと顔を背けた。








そして何もなかったかのように装い、俺も身体を起こす。









「遠山君、本当にごめんなさい。」









愛穂が頭を下げたが、俺は首を振る。








「大丈夫だよ。それより室長の方は怪我はない?」








俺はそう言って立ち上がり、制服についた汚れを軽くパンパンと叩いて振り払った。